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かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第269話「自己肯定感について」【2017年5月】

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自閉症スペクトラムADHDとLDのあるかいじゅう兄弟を育てる過程で、様々な場面、人(医師や療育の先生、保健師さんや作業療法士の先生)から、「お子さんの自己肯定感を高めてあげて」と言われて来ました。今もよくその言葉を聞きます。「自己肯定感とは何か」、「どうやったら高められるか」は適切に説明できませんが、自己肯定感が低いのは良くない事だけは実感としていつも心の中にありました。

例えば、不登校の時、自己肯定感が低いと、「そっと休ませてやる、何もしない時間から始めるしかない」と、私は知っていました。なぜなら、自分が経験者で、自己肯定感が低い時に学校へ行けないって事は、もうだいぶ精神的にやられていて、新しい事にチャレンジしたり、物をよく考えたりするパワーが不足していて、とにかく、「休むために、学校を休んでいるんだ!」という事だったからです。

逆に、自己肯定感が高い時に不登校になったら、自宅学習や別の活動にその時間を割り当てて、いきいきと学びを身につけて行くパワーがあって、私自身は「この休み、無駄にしてなるものか!」と思っていました。私は、「自分自身の能力や得意不得意を理解して、自分はこれでいいんだ!やっていける!と自信を持っている状態、そして、自分を好きでいる状態」が、自己肯定感が高い状態だと思ってきました。

そう思えるきっかけになったのは、小3の初夏、父の言葉でした。

生まれつきの二分脊椎症の2回目の脂肪腫除去手術を迎える前の暑い日、お寺の庭で目に飛び込んで来た景色を描いていた時の事でした。初夏の緑の木々が、私には紫と黄色に見えて、その2本とスケッチブックを片手に、私は立って絵を描いていました。「暑くないか?」と声かけにきた父に、仕上げた絵を見せたら、絵を持って家の中に走って行き、母に大きな声で言いました。

父:「見ろ!この子は天才だ!さらさらっとこんな絵を描いた!やっぱりずっと習いたがっている絵を習わしてやろう!絶対に伸びる!お前はコンテストとかに出すように調べたり、送ってやったり、マネージャーになったらいい!先は明るいぞ!」

私は、2年の一年間はクラスメイトと担任から激しい虐めにあい、3年はクラスで浮いたまま、腰や頭に激痛が走るようになって、夏休みに手術が決まっていました。母は幼い妹を北海道にいる祖父母に預ける準備をしたり、日々の辛さでノイローゼ気味でした。お先は真っ暗、みたいな空気が我が家にはありました。

父はニコニコしながら、未来は明るいと言い出して、本当に、退院してからアトリエを探し、私が嫌がっていた他のお稽古をやめさせてくれて、4年から私は念願の絵を習いに行くようになりました。母は見事なマネージャーになり、私に月に数枚描かせて、丁寧に発送してくれて、だんだんに作品が賞を獲るようになり、それまで、微妙だった母子の関係も良くなりました。

高齢になった父はあの出来事をもう忘れてしまっているし、完璧過ぎるマネージャーであった母は三年前に他界、あの時の庭の絵ももうどこにあるか分かりませんが、あの出来事が、確かに、私にとって、「自己肯定感が高まり始めるのを感じる瞬間」でした。

自己肯定感は「すぐには高まらない」し、高め方も「その子それぞれ」だと思います。我が家のかいじゅう兄弟についても、まだまだやり方や場所や、そもそも好きな事、得意な事を試行錯誤中です。ただ、経験上、「自己肯定感は、家族みんなで気持ちが上がって応援していくと、凄くいいな!」と思います。

「お子さんの自己肯定感を高めてあげて」と言われたら、ザックリし過ぎていて焦りますが、お子さん自身が自分を知る所から、ゆっくり始めたらいいかな?と思う次第です……。

つづく。

第268話「お稽古ごと」【2017年5月】

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今日はかいじゅう兄弟のお稽古ごとの話です。

母親である私自身が子供時代にたくさんのお稽古ごとをしていて大変だった経験から、かいじゅう兄弟のお稽古ごとについては消極的な方です。

Sくんは今までにお絵描き教室とレゴスクール(短期講習の方)へ。弟Aくんはレゴスクール(短期講習の方)と通信の英会話とたまにお料理教室へ行っています。

Sくんは一年以上通ったお絵描き教室を、「先生は大好きだけど、遠い!課題があるのが嫌!毎週行くのは嫌!」と言ってあっさり辞めてしまいました。レゴスクールは最初は良かったのですが、だんだんカリキュラムのレベルが上がると、物理の勉強のようになり、椅子に座っていられなくなって辞めました。

本人曰く、「課題がなくて自由で毎週行かなくても良くて椅子に座わらなくていいところで物作りがしたい!」……それ、家のリビングやん!!というわけで、私の材料から好きに選んで、リビングで転がりながら好きに作って満足してしまっています。

弟Aくんは体がかなり丈夫で、運動神経がいいので、何かスポーツを…と思っていたら、「絶対に一番じゃないと嫌。勝ちたいから。あと同じ練習を繰り返すのも嫌。人とやるのも苦手。」というわけで、今のところぴったり合うスポーツに巡り会えず。個人作業のお稽古をしています。

Sくんは、カリキュラムに縛られる事に苦痛を感じるタイプなので、今は、お稽古ごとではなく、クリニックのグループOTや教育系の大学の小集団活動に参加しています。

弟Aくんは、クリニックのOTと訪問型のOT、2ヶ月に一度教材が送られてくる通信の英会話と、たまにお料理教室へ行きます。お料理教室はパパと参加しています。カリキュラムは嫌いではありませんが、かなりの完璧主義で、1番になることへのこだわりがあります。

学校や保育園のカリキュラムや決まりを、普通らしくクリアしているだけでも大変な負担がかかっているので、お稽古ごとや学校外の活動は、行っても行かなくても大丈夫で、できてもできなくても大丈夫なものを選んでいます。

いずれは、得意不得意がもっとはっきりして来て、何か極めて行くかもしれませんが、今はこんな感じです……。

つづく。

第267話「凸凹な毎日、バランスの調整」【2017年5月】

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普通学級で”普通”に授業を受けて、週一回1時間だけ通級教室を利用するSくん。生活面や授業態度も”普通”に出来ており、受け答えも”普通”なんだそうです。

家とだいぶ違う!どんどん差が開く!そんな印象です。まさに、凸凹です。

学校で、結果、”普通に出来ています”が、そこには大変な頑張りがあって、本人の成長や周りの声かけの効果もあるかと思います。見た目”普通”は本人にとっては全く普通な状態ではないのです。

家では本来の姿なのか、リラックスしているのか、できない自分、無理をしない自分を出しまくっているように見えます。チックや強迫性障害もますます強く出ています。

クリニックに相談した所、「場面に応じた切り替えができている」、「家と学校、逆よりはマシ」というわけで、「今はこのバランスで行こう」という事になりました。

頑張り過ぎ注意!のレベルなので、週1時間だけの通級教室では”抜きが足りない”、そこがかなり心配です(2ヶ月前まではほとんど育成学級に逆交流していた)。

そこで、月1回のグループOTは継続で、加えて、教育系の大学の小集団活動への参加と、訪問看護型の個別OTを入れる段取りを取りました。

(小集団活動は一年前に初めて不登校になった時に電話相談をしてから、一年間の順番待ちをして、本人と一緒に面談を受けてから改めて申し込みをするという流れでした。)

学校では普通学級で四年生らしく過ごし、通級や早退しての活動の中でリラックスしたりできない部分をフォローする、そんなスタンスです。

あとは、できる部分をより伸ばす活動ですが、課題のあるレッスンは拒否、毎週通うと決まってしまう事にも拒否感があるので、今、何か楽しい活動はないかな?と試行錯誤している最中です……。

つづく。

第266話「別れて過ごすGW」【2017年5月】

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恐れていた長期休暇がやって来ました。猫を飼い始めたので旅行もなしです。

で、ずっと家にいるという事は……Sくんとパパがぶつかり合う事、間違いなしです。

前半は私が通院や用事があり、後半は自宅療養しなければ身が持たない、そんな流れでした。私が投薬の副作用で寝込んでいる時に、Sくんとパパが本格的にぶつかったら…止めに入れません。

というわけで、パパにはなるべく弟Aくんと出かけてもらうように計画したり、一人で漫画喫茶に行ってもらったり、一人で映画を観に行ってもらったりしました。私とSくんと猫は基本家で過ごしました。

それでも…だいぶぶつかり合っていましたが、最悪の事態は回避できたかな?と思います。

また、明日から会社、学校、保育園へ三人は旅立ちます。私は通院や用事や自宅療養の日々が始まります。次の長期休暇はお盆かな?今から対策をねっておかなければ…と思います……。

つづく。

第265話「猫に人間の言葉は通じない。」【2017年5月】

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パパは猫のお世話をし過ぎて、生傷が絶えません。猫の為にやっている事を、猫自身は知りませんから。パパを細い目で見たり、パパから逃げたりします。それでも、猫の為に、猫が可愛いから、優しく語りかけてお世話を続けています。

猫が悪い事をした時も、声を少し大きくして注意して、パチンと手を合わせて音を出します。そうしてダメだよと伝えて、でも、伝えてもまたするかもしれません。猫に人間の言葉は通じないから当たり前です。怒鳴ったりは禁物です、びっくりして怖がって、嫌われるだけです。

……さて。Sくんには複雑な発達障害自閉症スペクトラムADHD学習障害、情緒の不安定さ、強迫性障害、チックなど)があり、こちらの言葉かけが伝わらない事も、また伝えてもまたするかもしれないという点において、猫のお世話や対応と同じように私は感じるのですが、パパはそんな風には思えないそうです。

猫のいる生活の中で、いつか気付いてくれたらいいなと思う今日この頃です……。

つづく。

第264話「たぶん、怒鳴ると、届かない。」【2017年5月】

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パパはSくんの様子を理解できません。受け入れるのも、頭では分かるけれど、心と体が拒否しているようです。互いに発達障害があるのだからぶつかり合うのは当たり前だという風に私の目にはうつりますが、当事者はその事を知らないし、伝えても信じません。

Sくんは同じ失敗や、個性的なズレを繰り返します。注意してすぐにまたやってしまったりもします。パパは激しく怒鳴ります。たぶん、怒鳴ると、届かない。Sくんの脳裏には、怒鳴られた事しか残らなくて、なんとなくパパは自分が嫌いかな、自分はパパが嫌いかな、が、深く、深く、なっていきます。

パパに怒鳴らないように促しても、また、すぐに怒鳴り散らしてしまいます。互いに、すぐに忘れてしまうし、理解し合う事もできないし、とにかく、物理的に、一緒にいる時間をできるだけ減らした方がいいのかもしれないと思い始めています。

お家で、時間や約束を守れず、毎晩泣き叫び、ますます荒れて行くSくん。もちろん都度パパに怒鳴られます。手を洗う強迫性障害も、行動を繰り返すチックも、ますます激しくなっています。

手を洗い過ぎると荒れてかわいそうなので、”キレキレパワー”(という名前を付けて、手を撫でたり、キレキレ〜っと私がSくんにする)をして洗う回数を減らしたり、「僕の手、口、顔、足、体は汚くない?」と聞かれたら、「手も口も顔も足も体も汚くないよ」と答えて洗う回数を減らしています。これが起きてる間は数分から数秒おきにあります。夜中もたまに起きて、手を洗いに行こうとするので、話をして洗わずに済むようにします。

学校ではどうかな…と心配していましたが、なんと!きちんと決まり通りに生活をしているようです。クラスの様子も、学年が上がりクラス担任が変わったからか、落ち着いているようなのです。

Sくんは勉強も普通学級の内容に付いて行って、手を上げて正しく発表もするそうです。ノートもなんとか取っている。宿題も忘れずしている。強迫性障害もチックも出ていません。担任の先生から見ると「問題がないSくん」。

お家との差がどんどん開いていて、なぜだろう?と考えています。

1.学校で頑張っているストレスを家に持ち帰って爆発しているのか。(逆交流停止中)

2.お家にいて過ごす事がストレスになっていて爆発しているのか。(特にパパとの問題)

3.その、両方か。

4.その他の理由か。

はっきりと、これだ!と言えませんが、上にも書いたように、Sくんには「たぶん、怒鳴ると、届かない。」。家庭訪問で先生方と話してみて、学校の先生や近くにいる仲良しのクラスメイトが、怒鳴らずに物を伝えられているのかもしれないと思いました。Sくんの頑張りにプラス、「失敗しそうになったり、失敗しても、柔らかく正しいやり方を伝えられているのではないか」、と。

「失敗しそうになったり、失敗しても、柔らかく正しいやり方を伝える事」をお家の中でも常にやっていけたら、荒れている様子のレベルが下がるのではないか、その為に早急にパパの態度を変えてもらうのか、パパとの接触時間を意図的に減らすのか。GWを迎えるに当たって大きな課題です……。

つづく。

第263話「事件です!」【2017年4月】

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先日、初めて110番通報しました。事件ですか?事故ですか?と聞かれて、事故ですと答えました。

朝、歩きながら、あれは…不審者かな…と思って見ていたら、目の前で男性が車に飛びかかってワイパーへし折ったのでビックリ。写メを撮って、交番へ走って(でも無人だった)、110番通報して。私って走れるんや…と思いながら、被害者の方に付き添って警察を待ちました。通報から数分で、たくさんの警察の方が来てくれて、すぐに捜査が始まりました。

かいじゅう兄弟にもこの日の話はしました。「不審者がいたらとにかくその場から、人がいる方へ逃げなさい」と言ったら、「不審者ってどんな?」と聞かれてしまい、説明に時間がかかりました。

確かに不審者って??このご時世、ご近所さんや保護者も信用はできません…。

「ご近所さんや顔見知りに挨拶はしていい、知らない人にはしなくていい。」

「知らない人が話しかけて来たらもう危険。」

「知ってる人も、二人きりになろうとしたら危険。」

「個室になるエリアには入るな」は防犯指導でも言われているらしく、「登下校で一人でエレベーターにも乗ってはいけない」そうです。自宅が上の方の階で、どうしても体調悪くて乗ったとしても、誰か乗って来たら、「すぐに全部の階のボタンを押して降りなさい」だそうです。

例えば、自分がエレベーターに乗って、たまたま先にいた一人きりの小学生が全部の階のボタンを押して降りて行ったら驚くけれど、それは、防犯指導が行き届いているって事だと知りました。

私:「パパとママ以外の人がどこかに連れて行くとか、ヘルパーさんもママの手配以外は誘われても付いて行っちゃダメだし、もちろん先生も……。」

かいじゅう兄弟:「じゃあ、誰を信じたらいいの?みんな不審者なの?!」

実際に事件に遭遇してしまったらそれは不運でしかありませんが、念には念を…と思う今日この頃です……。

つづく。