かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第3話「かかりつけの小児科で。Sくんの、この日がスタート」【2013年1月】

いつもの冬の朝と変わらない、乾いてピンと張り詰めた空気が、その朝も漂っていました。車で10分くらい行った所に、かかりつけの小児科医院がありました。赤ちゃんの時からずっとお世話になっている先生に、私は、いくつか思い当たる節を話したと思います。

先生:「おばあちゃんの事は私たちも本当に心配しています、……いつかお母さん自身がこうして相談に来られた時に話そうと思っていた事がありました、……Sくんは心の病気ではなくて、……発達障害があると思うんです。」

ゆっくり選ばれて出てきた先生からの返答に、私は耳を疑いました。隣で、Sくんはいつものようにクルクルと椅子を回していました。

発達障害って何?自閉症のこと?私の中に知識が足りませんでした。早く帰って調べなきゃ、早く、早く、早く……!と思いながらずっと黙ってしまった私に、先生が続けて言いました。

先生:「専門の医院を紹介します。もう、紹介状はできています。お母さん、大丈夫ですよ。」

この日がSくんと私にとって、発達障害との出会い、そしてスタートになりました。

私の頭の中は真っ白でした。大概のことは予測して生きてきた私にとって、それは予想外過ぎました。狐に騙されたような感覚で、頭の中にぼんやりと、Sくんが生まれた朝の薄グレーの太陽にキラキラと輝く雪が舞い落ちてきました……。

つづく。