かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第4話「ママが落ち込んでる暇はない」【2013年1月】

頭の中に、薄グレーの太陽と、キラキラと輝く雪が舞っていました。子供に何かあった時、ママが落ち込んでる暇はないんだ!と思って子育てをしてきましたが、かかりつけの小児科医院へ行ってから、紹介された発達障害の専門医院へ行くまでは、空白のフリータイムでした。

まず最初にやったことは、ホームビデオの振り返りでした。それから、インターネットで熊本市が運営している発達障害のサイトを丸ごとダウンロードして、読む作業。そしてまたホームビデオの振り返りやアルバムの振り返り……。

振り返りの作業の中で、車を並べたり、コンテナを廊下に並べるSくんの姿や、辿々しい言葉使い、オウム返しが、当たり前の健常児の成長とは違うと確認してしまいました。

本当に何も気付いて来なかったので、目をそらしてきたわけではありません。「今、目が開いた」、そんな感覚でした。

『私、何してたんだろう?』

そう思うと、大きな波に飲み込まれて、深くて暗い穴の底にこ落ちてしまいそうになりました。

でも、その感覚は、母が膵臓癌の宣告を受けた時に一度経験していて、私は飲み込まれずに済みました。

今、波に飲み込まれずに済んだ、そう思えば、母が膵臓癌と分かって暗闇に落ちたあの時は、今、波に飲み込まれない為の予行演習で、階段の一つだったのではないか、と思うのです。

そしてこの先、予行演習の繰り返しで強くなる、そんな人生が待っているなんて、この時の私は知る由もなかったのでした……。

つづく。