かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第31話「やり返さないSくん、クラスメイトとの関係」【2014年4月〜】

ふと、空を見上げる事を忘れていたと気付きました。そんな時は必ず何か大きな壁にぶち当たっている時です。Sくんのクラスは、歩き回る子、叫ぶ子、寝転ぶ子、乱暴な子……。いつもガヤガヤしていました。

大人数の森に入って木として紛れるより、少人数のクラスの方が目も行き届き、Sくんも落ち着けていいと思っていましたが、このクラスについては……、そうではありませんでした。しかも担任の先生は怒鳴ってばかり…。

Sくんは元々”やるよりやられる方”で、コンサータの効果もあって”嫌な事も嫌と言えない”状態になっていました(給食を無理矢理食べさせられても嫌と言えなかったくらいですから……)。クラスメイトから嫌がらせを受けても我慢してしまう場面がありました。

傘や靴や文房具を隠されたり捨てられたり壊されたり、傘で叩かれたりもしました。Sくんには登下校にヘルパーさんが付いてくれていたので、Sくんを守る為に代わりにヘルパーさんがクラスの男の子に傘で叩かれる事もありました。ヘルパーさんが単独で襲撃された事もありました。

親御さんに直接話しても解決せず、学校に話しても怒鳴るだけで解決に至らず。仕方ないのでお子さん本人に話をしたりもしました。一言で言えば、人数の問題ではない、「荒れている」、そういう状態でした。

Sくんは昔からやり返しはいけない事だと信じていて(いや、もちろん、そうなのですが…)、ヤンチャくんからやられてばかりでした。

私:「たまには、やり返してみたら?舐められてるんだよ、Sくんは。」

Sくん:「ママ!ダメだよ。やり返しは!争いごとは、自分からやめないと。いつまでも終わらないよ!」

ひぇー!Sくんが正しいのですが、やられ過ぎる我が子を見ていると私は複雑な心境になりました。もしかしたら。私の幼少期も、母はこんな気持ちだったんじゃないかな?ふとそんな事も思いました。私の母は虐められている私をぶっ飛ばして……

母:「やられてくるな!やり返してこい!お母さんがいくらでも謝りに行ってやる!」

今はこの気持ちが痛いほど分かります。私はSくんをぶっ飛ばしたりはしないけれど……。

つづく。