かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第36話「絶対にママは引かない」【2014年10月】

もう壊れそうだな…と思っていました。嫌だな…とも思っていました。私の主治医や、Sくんのクリニックの先生からは、もう、お母さんが壊れてしまうから、やりあうのは「やめておけ」と言われていました。

気がついたら、小学校のグランド横の並木にいました。突然、目の前に大きな枝がバサッと落ちて来ました。空を見上げて、神様やら仏様がいるんなら、それらも「もう、やめておけ」って言ってるのかな?と思いました。

自分にどうしたい?と聞いてみましたが、やっぱり、私は引く気がありませんでした。どうにも、この事態に引いて、諦める気がなかったのです。

負けてはならない!

絶対に引いてはならない!

絶望からの一歩を踏み出して、道なき道に道を引いてやるんだ!

そう思って、落ちている大きな枝を思いっきり踏み潰して前に進みました。丁度、花壇の横を、呑気に歩く校長先生を見つけました。

(校長室で)
私:「本当に支援学校からの育支援のお電話はなかったんですね?」

校長:「はい。前にもお話したようにお電話なんかありませんでしたよ。もしもあったら、そんな無視したりせずに対応しますよ。」

私:「そうでしたか、良かったです。今すぐ、支援学校の育支援センターに電話して、学校長として育支援を依頼してください。」

しぶしぶ校長先生が電話をして、育支援がスタートする事になりました。

しかし、育支援がスタートして、何回か支援学校の先生方が小学校のSくんのクラスを見に来られて、アドバイスをされたようでしたが、結果、担任の先生や校長先生の姿勢は変わりませんでした。支援学校の先生が来られた時、担任の先生は教壇に立たなかったそうです。

……無駄だったか。

ショックな出来事に慣れ過ぎて、あまり驚きませんでしたが、こうなったら、次の策へ移るしかありません。

私はこの日の為に、京都市児童相談所に付属している診療所にSくんのカルテを作っていたんだと感じました。児相の先生に「ケース会議」の依頼をしたのです……。

つづく。