かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第44話「弟Aくんの療育開始」【2015年3月】

お母さん、どこにいるの?雲を眺めると悲しくなります。Sくんの特別支援の事や、母の膵臓癌の事で、あっという間に時が流れて。弟Aくんも療育へ通える事になりました。

Sくんが一年前までお世話になっていた施設です。久しぶりに階段をのぼっていくと、先生が気さくに「おかえり!」と言って迎えてくれました。

弟Aくんは4月から年少になりますが、それまでの1年間、毎日、保育園へ行く事を拒みました。物を投げて泣いたり、マンションのエントランスで服を脱いで騒いだり。ヘルパーさん達は号泣するAくんを抱っこして、なんとか送り出してくれていました。

Sくんも泣き叫びながら保育園を嫌がる時期がありました。あの頃の私はこの時より元気だったので、家でSくんをみることができましたが、今はそれも難しいのです。また、弟Aくんが元気すぎて、二人で外出も困難でした。

クリニックの先生からは、「Aくんとママが二人でいる時間を、家の中でもいいから、短時間でもいいから、意図的に作った方がいい。」とアドバイスをいただいて、週末はSくんとパパとで外出してもらうようにしてみました。

でも…、Sくんとパパは相性が悪く、なかなかうまく行かず。すぐ帰ってきてしまいました。『困ったな…』と、思っていた所へ、療育の話が来て、救われた気持ちになりました。

弟Aくんの特徴は、とにかく短気。すぐに腹を立てて物に当たりしてしまいました。何が気にくわないのかと思ったら、絵がうまく書けないとか、お兄ちゃんとiPadの取り合いとか。でも、理由なく号泣する事もありました。

観察して見ていると、完璧主義で、4学年上のお兄ちゃんと同じ所を目標にしている為、せっかく取り組み始めた物も途中で「ダメだ!」と破壊してしまっていました。早く理想に近づくが、理想を下げるか。療育では、「Aくんが、ま、いっか〜」と自分の中で落とし所が付けられるようにする事を目標にしてもらいました。

弟Aくんと二人きりでの外出は危険が伴うので、送迎はヘルパーさんに付き添ってもらってタクシーで行く事にしました。毎週2回、火曜と金曜の午後は保育園を早退して、療育へ。Aくんがとても嬉しそうで、その顔を見ると私も少しほっとする事ができました……。

つづく。