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かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第97話「感動ポルノと障障介護の現実」【2016年8月】

私は幼い頃から重度障害者が出演するテレビが怖くてたまりませんでした。「障害に生まれたら真っ直ぐに頑張るのが当たり前」と言われているようで、それが怖かったからです。実際によく比べられて叱られたりもしました。また、それを見て感動して泣く人がいる事も怖くて、「現実はもっと汚いこともあるし、大変だよ!苦しいよ!」と繰り返し思っていました。大人になってからそれを「感動ポルノ」と呼ぶと知りました。

また、発達障害児を育てる中で、”犯罪者が発達障害”と言われるとドキっとしていました。いくら一生懸命に育てたとしても、我が子が犯罪者にならないとは言い切れないのです。それは、発達障害者であっても健常者であっても変わらない可能性であるはずなのに、ドキっとしていました。「親の育て方が!」「しつけが!」よく耳にしますが、親の育て方やしつけで、問題を起こさないように100パーセント育てる事はできないと思うのです。そう思うと、発達障害児の子育てが少し怖くなりました。

逆に、”被害者が発達障害”という場合もあります。それも発達障害者であっても健常者であっても変わらない可能性であるはずなのに、警戒してしまっていました。

世の中は怖い事ばかりです。

我が家は、私が重度身体障害者で、二人の発達障害の男の子を育てています。いわゆる、障障介護。現実は、私は薬の副作用に振り回され(でも飲まなければ当たり前の生活を維持できない)、始終吐き下し、汚し、掃除し、激痛に見舞われながら、眠れない日々を過ごして、外出日に合わせて絶食する生活をしながら、2匹のかいじゅうの相手をしています。部屋は荒れ散らかり、なんとかご飯を与えて、1日が終わります。

……この現実に感動はない。

しかも、この現実を誰も知らない。

なぜ私がこれを書いているのか。それはきっと、テレビのように立派な事はないし、受け取り手に感動は与えられないけれど、私達は毎日を生きていて、怖がりながらもベストを尽くしている事を知って欲しいのです。

なんだか、世の中の大きな波に、流れに、掻き消されそうですが、「ここにいるよ〜」と知って欲しいのです……。

つづく。