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かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第99話「許す心は誰の為?」【2016年9月】

人数が少ない学校で、お互いの遊びたい遊びが一致しない事はあります。Sくんが誰を誘っても遊んでもらえず、一人ぼっちになったと、帰ってきて号泣してしまった事がありました。

虐めや嫌がらせでなくても、一人になる事はあり得るので、絵を描いたり、本を読んだり、一人になる準備も必要だよという話をしました。しかし、Sくんは「一人ぼっちは嫌だから学校へ行かない」と泣き続けました。

それからもなんとか学校へ行っていたのですが、嫌がらせが立て続き、Sくんはとうとう学校のトイレで吐いてしまいました。

Sくんのクラスは相変わらず荒れていました。そんな中で繰り返し被害を受けるのに、仲裁に入った先生は、加害者に謝罪をさせて、被害者には許すように言い、仲直りをさせます。当たり前のプロセスかもしれませんが、あんまり短期間にそれが繰り返されると、誰でも、何を信じたらいいのか分からなくなるのではないでしょうか……。

Sくんは何か嫌な事があると、昔の嫌な出来事も思い出してしまい、今、それが起こったかのようにパニックを起こしていました。トラウマです。

いつかあいつらにやり返しをしてやりたい!とか、絶対に一生許さない!とか、虐めを受けた経験のある私はよく気持ちが分かるのですが、Sくんには、「復讐はしたらダメよ」「許す心を持たないと自分がキツくなるよ」と話しました。

簡単に相手を許してしまって野放しになり、被害が繰り返されるのはたまったもんじゃありませんが、ずっと誰かを恨み続ける事も心に負担がかかると思うのです。だから、誰のためでもなく、自分の為に、許す心を持って、悪い記憶から解放してやりたいと思うのでした……。

つづく。