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かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第102話「でも元気そうに見える。」【2016年10月】

もう10月だというのに暑い日が続いています。去年の9月にそれまで使ってきた下剤が効かなくなり、新薬に変えて、初めて迎える夏は想像を絶していました。

副作用で常に吐き気、水分は全て腸へ行ってしまうので、7月に3回、8月に1回、副作用のきつい夜中に熱中症になりました。暑さが少し和らいだ9月には今度は逆に悪寒と吐き気と胃痛が止まらなくなり、朝まで一睡もできないことがありました。

……でも私は元気そうに見えるらしい。

行事や通院の途中や後に、疲れて具合が悪くなったり、一睡もできないまま翌日また外出したり。かいじゅう兄弟の喧嘩に割って入って飛ばされて怪我をしたり…。(←今、右足が広範囲に真っ青。神経半分ないから半分しか痛くないけど、色は凄まじい。)毎日サバイバルです。

でも、私は元気そうに見えるらしい。

私は先天性の二分脊椎症で、今までに腰から背中を3回、脂肪種を除去する手術をして、他に骨折で2回、帝王切開で2回、計7回手術をして、4回目の脊椎の手術は延期中。私の背骨は途中までしかなく、腰にはまだ脂肪種があり、さまざまな神経障害を引き起こしています。腰から下の後ろ半分の感覚もありません。

足腰が弱く階段は難しい、歩行も10分までが限界で休みが必要です。目眩、吐き気、頭痛、胸の痛みが常にあり、両手も不自由で気をつけて家事や仕事をしています。とにかく体力がないので、伝染病や風邪をひきやすく、お風呂もしんどい、軽くシャワーくらいで息があがります。

内部疾患は、消化器系から腸、膀胱、子宮に障害がり、お腹はいつも痛い。下剤系の薬を大量投入しないと二カ月くらい便秘して入院になります。だから、外出なんて本当は不可能だけれど、自分の通院や子供達の通院、行事など、かかせない外出はあるわけで。外出予定日に対して二日前から絶食、薬を徐々に止めて、外出に備えます(月に半分以上食べていません)。そしてまた外出したら、下剤で押し流すわけです。薬だけでは出ないので、手でお腹を押してアザだらけです。

……でも結局、元気そうに見えるらしいです。

そう、見えない所に手術痕やアザがたくさんあっても、それをわざわざ見せたりはしないし、ずっと痛みがあるから、いちいち人に痛い!痛い!とも言わない。幼い頃から痛い時に、「痛いって言うな!我慢しろ!」(by お母さん&病院の先生&看護師さん)の時代を生きて来たので、”痛そうにできなくなっている”のです。

いくら痛くても表情も変わらない。おまけに、化粧もするし、オシャレもする。適度に休みもとって、見えない所で調整しているので、健常者の世界にうまく紛れているわけです。だからメリットもあるけれど、デメリットもある。だから、元気そうに見える……。

ヘルパーさん使えていいなぁー!子供の送迎いいなー!そんな風に”見える世界だけ”を切り取られて、”いいないいな”に囲まれると複雑な気分になるけれど、「障害があっても子を産み育てる」これは”私が選んだ世界”なので。使える制度は最大限に利用して、副作用覚悟で薬も使う。そうやって、やっと、みんながしている”普通”に近付くのです。

ちなみに、家族にも痛そうには見えないらしいです。

私:「今日も凄く痛いんだけど…。」

弟Aくん:「え〜?そんな風に見えなーい(笑)」

パパ:「俺は痛くない。」

Sくん:「ママ、結局自分で全部やるやん。」

三者三様、誰も心配してくれません。全員SSTソーシャルスキルトレーニング)が必要です(笑)。

私:「痛い人がいたら、かけていい声かけは”大丈夫?”だよ。それが正解。しかも”心配そうな顔”をして。SくんとAくんは”お片付けしてね”、パパは”家事をしてね”。」

具体的に声かけしました。そうでないと伝わらない世界に私はいるのです。見える世界と見えない世界、見えない世界をもっと気遣えるような人に、私もなりたいと思います……。

つづく。