かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第109話「Sくんの、偉そうは大キライ!」【2016年10月】

発達障害のあるお子さんが、否定語で→勘違いしたり、疑問形に→そのまま答えてしまったり、上から目線で物を言われるのを→大変に嫌う事があります。

否定語や否定文は、例えば、「走ったらダメ!(怒)」と言ったらそのまま肯定の意味で受け取って→走り続けたり、選択肢を間違えて→その場に寝転んだり。意図と違う行動をしてしまうので、肯定文で「ゆっくり歩いてね。」と言った方が効果的で、こちらもイライラしません。

疑問形は、例えばいつまでも片付けせずに遊んでいる時に「いつまで遊んでるん?!(怒)」→「えーっと、、夜中まで〜。」みたいな返事が返ってきてイライラしてしまうので、「◯時までに片付けしてね。」と伝えた方が効果的で、さらに、「なんで?」と聞いてきたら面倒くさがらずに、片付けしないとお布団が敷けないとか、おもちゃを踏んで痛いから、とか、納得するまで説明をします。

我が家のかいじゅう兄弟に、何をさせるにも時間はかかるので、いつも予定の1時間前から声かけ開始です(笑)。弟Aくん単品ならスムーズなのですが、Sくんといると、Sくんの真似をして同じ症状みたいになるのです。

Sくんは、算数の問題文などには、上から目線だと拒絶します。「次の問いに答えなさい。」と書いてあったら答えません。「次の問いに答えてみましょう。」なら取り組みます。テキストを買う時はそこに注意して選びました。

他にも視覚的な話で、計算問題だと、1段に3問で7列→計21問で紙の端までぴったり問題があればいいのですが、計20問で端っこが空いていたら落ち着きません。問題を増やしてくれ!と言います。

宿題のコピーのゴミや線がうつっていると気になり、塗りつぶしたり、ページの数字やフレームのデザインが気になって塗りつぶしたりしてしまいます。この衝動は本人も止められないので、ある程度塗りつぶさせてから、勉強に戻るように誘います。

自宅で、やっと問題に取り組み始めて、Sくんはワーキングメモリーが極端に低く、処理速度も遅いので、一問解いたら、ふらふら〜っと席を立とうとしたり、集中は2分くらいしか続かず、記憶も途切れ途切れです。ひっさんも一つずつ忘れてしまいます。学校では45分座っているそうなので、それだけでも凄く偉いなぁと感心しています。

宿題など、本人の興味がない事をさせる時に、レールから数分おきに脱線したのを、優しく誘導してレールに戻す事を繰り返すので、通常の5倍は時間がかかります。

Sくんとの取り組みは、だいぶ気長な世界です。こだわりや衝動、集中力の無さにこちらがイライラせずに優しい言葉かけで対応しなければ、二人して脱線事故。そこから何も得られなくなってしまいます。

Sくんの行動に疑問が生じたら、”なんでそんな事するん!?(怒)”と思っても、その”なんで”はSくんに聞く事ではなく、自分が勉強と観察をして、方法を導き出さなければならない課題なのだと思って、ぐっと堪えて言葉を選びます。

Sくん:「僕な、偉そうな問題文と、偉そうな人が大嫌いやねん!」

『今はその意味分かるわ〜』と思いながら、今日分からない事も、きっと未来の私なら分かるようになってるはずやわ〜と、気楽に気長に勉強を続ける毎日です……。

つづく。