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かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第111話「心の風船」【2016年10月】

私には月に10回くらい通院があります。二日連続通院したり、一日に3箇所病院を巡ったり。結構ハードで、通院した日の夜は具合が悪くなります。半年先まで、療育、OT、私の通院予約、Sくんの通院予約、弟Aくんの通院予約が入ってきて、間に小学校行事、保育園行事もあります。とにかく外で働いてもないのに私は忙しいお母さんなのです。

でも…通院ばかりじゃつまらない!当たり前の幸せなスケジュールも私は忘れません。みんなよりはたぶん少ないけれど、たまに、かいじゅう達と映画館へ行ったり(映画館ではお利口さん!)、美味しい物を食べに行ったりします。

「病気なんだから休んでいればいいのに!」って思われるかもしれませんが、通院と体調が悪いだけの日々を過ごしていたら、だんだん、”何の為の通院”かも、”何の為に生きているの”かも分からなくなって、”生きている事がお邪魔で申し訳ないような気持ち”になってしまいます。

私は、「誰でも気持ちがしぼんではいけない!」と思うのです。

母はもう亡くなりましたが、その昔、装具で歩くのが遅い私と、遠くの病院へリハビリへ行った帰りは、必ず回転寿司へ連れて行ってくれました。高校生になって梅田の病院へ行くようになってからは、ホテルでランチしてデパートで買い物していました。その前にMRIの検査を受けていたなんて分からない雰囲気で。楽しそうに、長い待ち時間を一緒に待ってくれていました。

母の心はいつも何かしらいつも膨らんでいました。

私がPTA活動に関われない事に腹を立てているお母さん達は、私がオシャレをしたり、化粧をしたり、美容院へ行く事を、今も批判的に見ているようです。もう、その憎しみみたいな物を私の方からコントロールするのは無理だな…と感じています。たまたま運悪く、絶食を二日して体調を整えて迎えた朝に、きちんと化粧して出かけた、そんなタイミングでばったり会っただけなのです。睨まれたり、追いかけてきたり、障害者のくせに!と言われたりしたら、また私はしぼみそうになります。でも、そんな時は!これでいいんだ!これでいいんだ!私に幸せな日があったっていいんだ!と心の風船を膨らませます。

障害があってもなくても、何かしらいつも楽しみな事で膨らんでいる、そんな生き方をした母を見習って、今日も私は風船を膨らませ続けます……。

つづく。