かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第117話「昔話。遠足の話。」【2016年10月】

学校という場所は、時として、「頑張って迷惑をかけるなら頑張らないで欲しい」と言われる事があります。私は学生時代にその事で悩みました。

重度の身体障害がある私の学校生活を振り返ると、小学校低学年の遠足は、参加はする方向で、別コースを、親の付き添いが必須になっていました。幼い妹を背負って、母はかなりの距離を歩いたり、山道を登ったり。当時は携帯がなかったので、落ち合うはずの場所で会えなかったりがありました。

高学年になってからは、教務や保健室の先生と別コースへ行くようになりました。集合写真だけは一緒に撮れるような形で、山登りなら、私は先生とロープウェイに乗って、山頂で絵を描いて待っていたりしました。中学も同じような形でした。

しかし、高校になって、「遠足に参加しなくても学校へ行けば単位が付く(どの子も遠足に参加するか否やを選択できる)」という形になってからは、私への対応は無くなり、山に登れない→学校行けばいいよ、長距離歩けない→学校行けばいいよ、となってしまいました。

友達と遠足に行きたかった私は、途中から参加するとか、公共交通機関を利用して落ち合うとかはダメか?と先生に聞きました。すると、「てか、そんなに遠足行きたい?体、悪いんやし、別に無理して行かなくていいよ。出席なら学校行って映画みて感想出したら大丈夫だし。あんまり頑張ろうとして、迷惑かけたらダメだよ。自分の立場わかってる?」と言われてしまい、何も言い返せなくなりました。

芸術系の大学へ行ってからも、作品発表の設営や準備について、何か手伝わせて欲しいと申し出てみたら、「いると迷惑だから来なくていいよ」と言われてしまい、また何も言い返せなくなりました。

そっかー……、私、頑張らなくって、いいのか。

つまり、学校としては、「迷惑をかけない範囲で頑張って欲しい」のです。

まだ若かった私はいちいち落ち込んでいました。今になったら、たかが遠足くらい、設営なんて免除でそれでいいやんと思ってしまいますが、分かってなかったのかな?と思います。

でも、分かっていなかった私の傷を誰も気付かないのもどうかな?と思います。迷惑はかけるより、かけない方がいい。でも、努力してみたかった気持ちを、誰か救って欲しかったと思うのです。

最大級のわがままで、けっして現実になる事のない遠足の夢。夜見る方の夢の中で、よく遠足へ行っています。山道をモリモリ登って、みんなとお弁当を食べて、写真を撮ります。やってみたかったなぁ。今でもそう思います……。

つづく。