かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第145話「障害の説明責任について」【2016年11月】

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何らかの障害や病気があると、学校に入学したタイミングで、クラスメイトに自分で病気を説明したり、懇談会の中で親が子供の病気について説明したりする事があります。話す事であたたかく迎え入れられたり、本人がより困らずに過ごせるメリットがあるなら、話す意味があると私は考えています。

その昔、私は小学一年になった時に、自分で自分の病気についてクラスメイトに話をしました。その結果、命に関わる医療用具が入っているから「触らないでね」と伝えたポーチを隠されたり捨てられたり、命に関わるから腰の手術痕付近を「蹴らないでね」と伝えたせいで、繰り返し腰を蹴られ、帰り道に倒れていた事も度々ありました。

ある上級生:「◯◯ちゃーん、聞いたで?腰に手術の痕があるんやろ?腰蹴って、殺すしな?死ぬまで腰蹴るしな?私、人が死ねとこ見たいねん。小学生のうちにやらな、捕まるやろ?チャンスやねん。」

あの子は今どんな大人になってるでしょうか……?サイコパスか何かだったのか、苦く重い恐怖の記憶です。

障害の説明にリスクは付き物です。特に私のような命に関わる場合、安易に話してトラブルに巻き込まれたらたまりません。

年長の最初のタイミングで発達障害と分かり、小学校の普通学級へ進学したSくんは小学三年になりました。入学時からお願いしてきた特別支援は、今年の4月に施行された障害者差別解消法によってやっと開始され、個別指導計画書も正式に作成されました。箱だけは整いましたが、中身は試行錯誤。専門知識のない教員の方も多く、今も理解ある支援を求めている最中です。

Sくんの特別支援は、具体的に……
・週一回のLD等通級教室の利用
・一日3時間の育成学級への逆交流
・算数と国語の個別学習
・宿題を育成対応に差し替え
・テストの差し替え
SSTソーシャルスキルトレーニング)の導入
などがあります。
(※これはお願いしているリストで、すべてがかなっているというわけではありません。)

周りのお子さんからしたら……
「宿題、簡単でズルイ!」(←Sくんの学習障害の度合いに合わせた課題が出ている。みんなより一年半程遅れている。)
「別の部屋で遊んでてズルイ!」(←育成学級やLD等通級教室、個別学習では、iPadやお絵描き、スゴロクをしている事もある。)
など、学校へ遊びに来ているように見えるようで、よく「ちゃんとしいや!」と言われてしまうそうです。

親御さん達からしたら……
「Sくんだけ個別学習して、依怙贔屓だ。うちの子も先生が勉強を見て学力を上げてくれ。」
という意見も多くあるようで、やむを得なく?担任の先生は、放課後に学習時間を取ることになったようです。

ズルイんじゃなくて特別支援……!依怙贔屓じゃなくて特別支援……!周りからしたら、学習障害があって勉強についていけないのも、勉強せずに馬鹿なのも一緒、情緒が不安定でくたびれやすいのも、怠けているのも一緒なのでしょう。

学校側からは繰り返し、「Sくんの障害を、疑問を訴えている他の保護者の方々に説明してください。」と言われていますが、私はそれを拒否しています。
(学校はあちこちから質問攻めで困っているかもしれませんが、そこのところはうまく受け流して、対処して行って欲しいです。)

なぜなら……
1.Sくん自身が自分の障害について理解していないから。
2.Sくんに何らかの障害がある事は既に周知されているから。
3.近しいお友達には少し詳しく説明してあるから。
4.障害があると分かっているのに依怙贔屓だと言う方にいくら話しても理解はしてもらえないから。
5.障害を詳しく話す事で、Sくんに何かメリットがあるとも今のところは思えないから。

私は自分の幼少期の記憶から、警戒心が人一倍高いかもしれません。Sくんが特別支援を受けるにあたって、周りに了解を得なければならないような雰囲気は、私の中に疑問符を浮かび上がらせます。私やSくんに、障害を説明する責任ってあるでしょうか。健常の方々の了解を得ないと、特別支援は受けられないのでしょうか。

違いを認める社会であって欲しいと常日頃から願っていますが、自閉症ADHD学習障害に対する偏見は必ずあり、うまく説明できなければ大変な誤解を生む事になったり、うまく説明できたとしても、弱点を狙った嫌がらせをされるかもしれないリスクをおっています。

これから長い障害との共存において、周りへの周知より、Sくん自身の中の自分に対する偏見をなくし、障害を正しく知る事の方が今は大事で、自分自身を知った上でなければ周りからの煽り風に向かっていけないという気もしています。

Sくんに限らず、「支援はズルじゃない」という事を、学校教育の中で伝えていってもらえたら助かるな…。今はそんな風に思っています……。

つづく。