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かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第203話「声かけが風じゃなくなった日」【2017年1月】

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* * *

最近Sくんがよく話を掴んでいると感じます。一回言った事を覚えていて、行動する。定型のお子さんなら小学校に入る前くらいにできるようになる事かもしれませんが、Sくんは、突然、今、できるようになりました。

今までは、Sくんにかけた声かけが風のように消えていました。後ろから声かけしたら無反応。前に回り込んで、何かしていたらそれが終わるのを待って、視界に入って、話をする。それでも9割は風のように消えていました。

例えば、習字道具は「学校ではペットボトルで筆をゆすいで、家に持ち帰ってから全て洗う」事になっていたそうですが、Sくんは一回も持ち帰りませんでした。私も自分が小学校時代は学校で最後まで洗っていたので、当然、今の時代も学校で習字道具を最後まで洗っているものと思い込んで声かけしていなかったのです。

冬休み始めにカピカピになった習字道具を私が洗っていたら、Sくんが横に来て何をしているのか?と聞いてきました。

私:「ママが小学生だった頃は全部学校で洗ってたけど今は違うんだね。びっくりしたわ。次に使う前には必ず筆も硯も綺麗にしておかないと美しい字は書けないんだよ。つまり、学校で習字道具を使った日は持って帰って来て欲しいんだよね。ママが洗ってあげるから。よろしくね。」

そのまま私は習字道具の事を忘れていました。新学期が始まり習字があるので習字道具を持って行った時も声かけを忘れました。が、Sくんは持って帰ってきたのです!使い終わった習字道具を!

一回話しただけの事をSくんが覚えていて、私は驚き、感動しました。それから、給食のマスクを持って行く日にも自分で気付いたり、来月通院するから早退するよという話も覚えていました。

今まで、3回言っても、30回言っても、300回言っても、3000回言っても……声かけは風になって消えていました。Sくんにキャッチされるのは稀で、それに私が慣れてしまっていました。

Sくんが突然、会話や声かけをキャッチするようになってくれて、物凄い成長を感じました。きっと、できる事が当たり前で通していたら、この事に喜びを感じられなかったと思います。これからも、捉え方や視野を広く緩くして、たくさんの感動に出会えたらいいなと思います……。

つづく。