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かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第204話「ターゲットの消滅」【2017年1月】

Sくんのこと

ご訪問いただき、ありがとうございます。読者登録をしてくださった方、星をくださった方、メッセージをくださった方、ありがとうございます。ありがとうを糧に更新を続けていきます。これからもよろしくお願いいたします。

* * *

特別支援が何とか軌道に乗っている今、何とか不登校にはならずに学校へ通っているSくん。でも、クラスでは仲良いお友達がどんどん減っていて、朝から、「話しかけただけで突き飛ばされた」とか聞くと(付き添いのヘルパーさんからの報告)、心が痛いです。

仲良いお友達がどんどん減っているのは、どんどん虐めをする側に吸収されている現状があって、我が子の事ではないので、私は、それを直接どうする事もできません。

Sくん:「ぼくって何の為に生まれて来たん?」

嫌がらせや虐めをされる為に生まれて来たのではないのは確かです。

だけど、現状を仕方がないからってほっておくのは、居場所がないSくんに死ねと言ってるようなもので、大概の異常な虐めの行く末は、ターゲットの自殺で、それで完全終了になっている。ターゲットが消滅して、事が終わるなんて……。ニュースを見ながら苦しくなります。

ニュースを見て、『周りの大人は何をしてたんだ?』と思う一方で、その言葉がそのまま自分に突き刺さります。非力な自分。私は親として何ができるのか。

自殺があれば、捜査はされるだろうし、裁判もするし、残された遺族と加害者家族、生きてる方は、ずっと争うしかないけど、死んだ本人は……絶対に帰って来ないのです。

Sくん:「死にたい。凄く死にたい時がある。死んだら、ばあちゃんに会えるかな。でもぼくは今、死に方を知らない。」

死ぬしかその構図から抜け出せないなんて。本当に辛い事です。

生活面での成長とか、学力面もゆっくりながらポイントをおさえてやってきて、いい事もあるはずだけど、総計すると、マイナス。だから、手をしきりに洗ったり、夜に暴れたりするんだな…と思います。

虐めをしたり、嫌がらせをしたりする側の心の問題は、家庭環境にあるのか、もっと別の所に原因があるのか。周りの子供達の不安定さを見ていると、”やって、やりやすい、弱い、記憶が飛びやすいSくんをターゲットにして、発散している”のだな…と感じます。『いい迷惑だよ、自分の不安定さなんか、自分の中でコントロールして処理してよ』とさえ思ってしまいます。

発達障害があって周りの空気が読み取りにくかったり、意味を取り違えたりするSくんは、「お友達の気持ちを考えて行動するように努力する」と個別指導計画書に記載されて、そこを目指して、自分の衝動性や欲求をコントロールして暮らしている。でも、周りの定型の子供達がこんなんだと、『あれ?』っとなります。

『あれ?なんで、できないん?なんで、お友達の気持ちを考えて行動するように努力できないん?』…と。

Sくんが学校へ通っている間は、事は表になりません。今までもそうでした。学校は、事が起きてからしか動きません。でも、再び不登校になったり、ましてや本人が死んでしまってからでは遅いのです。

各相談窓口では、必ず、「学校に行かせなくてもいいですよ」とか「引っ越ししたら?」とか言われます。そういう事じゃない。本人が本当に辛いのに、無理矢理学校へ行かせたりはしませんが、ターゲットの消滅は解決ではない。不登校は、一時的な対策でしかないし、引っ越しも、引っ越して必ず良くなる保証はどこにもないのです。
(ちなみに、我が家は以前に、PTAトラブルとSくんへの虐めで、引っ越しを経験しています。)

ターゲット自身の内面の成長だけで、この時を乗り越えられるでしょうか。そもそもターゲットって?虐めって?なぜ、なくならないんでしょう。そうやってないと生きられない人物がいて、一定数いる事が当たり前になって馴染んでいて、定期的に事が起きてから見直していては、何も変わらないんじゃないでしょうか。やる方の内面のケアを早めに丁寧にやるしかないのではないかと思っていますが、……誰が?いつ?どこで?なんかを話し合ってるうちに、また次のターゲットが消滅して行くのではないかと感じてなりません。

Sくん:「ぼくって何の為に生まれて来たん?」

私:「まずは、ママに会う為だよ。次にパパやばあちゃんやじいちゃんや。みんなSくんが生まれてきてくれて本当に嬉しかった。Sくんは生まれてみんなを幸せにしたんだよ。あと、Sくんは幸せになる為に生まれて来たんだと思うよ。だから、一緒に戦おう。絶対にこの問題、やっつけよう。必ず一緒に。だから、勝手に死んだりしないでね。絶対だよ。」

Sくん:「うん。分かった。知らせてから死ぬ。」

私:「うん。分かった。必ず止めるし、大丈夫……。」

つづく。