かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第271話「謝って」【2017年5月】

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側から見れば、定型のお子さんの反抗期のような印象でしょうか。Sくんはお家で荒れています。最初、優しくかけた声かけは、ゴネゴネとした変化球で打ち返され、すぐに消えてしまいます。自分の失敗はママのせい、パパはすぐに怒ってくる人、最近のSくんは私達に「ぼくに謝って!」とよく言います。

虐待や強すぎる躾を肯定するわけではありませんが、私も子供時代には母親からキツくやられていました。相当厄介な子供だったのか、母がノイローゼだったのか、目指すハードルが高過ぎたのか、今となってはもう分かりませんが、子供時代の私も、母親に対して「謝って欲しい」と思っていました。

母が膵臓癌になった時、母とこんな会話をしました。
母:「私は病気のあなたに辛く当たり過ぎて来たからバチが当たってガンになったのかな?(泣)」
私:「虐待とガンは関係ないやろ。」
母:「○○ちゃんは、私を許してくれるかな?」 (泣)」
私:「え……。んじゃ、謝るの?」
母:「いや、謝らない。」
私:「なんでやねん(笑)。」
母:「(笑)」

幼い頃から、私の中には、母に”謝って!”という想いと、”謝られたら、過去の辛い経験を許さなきゃいけない”という気負いがありました。また、”実際に謝られなくても、十分にお世話になった母を許すべきではないか”という想いもあって、ずっと苦しんでいましたが、ある時、友人から、「無理に許そうとする自分から解放された方がいい」という話をされ、納得。その後に膵臓癌になった母とこんな会話をした時も、それほど、謝る、謝らない、許す、許さないはどうでも良くなっていて、ただ、母に長生きをして欲しいと願っていました。

Sくん:「ママやって、昔、京都のばぁばから叩かれたり、怒鳴られたりした時に腹立ったやろ?謝って!って思ったやろ?」
私:「うん。あった、あった。でも、きっとそうなる何かがあったんだよ。責任は自分にもあると思ってた。だから、努力しようってずっと思ってたわ。人のせいにはしなかった。自分に起こる全ての事は自分に責任があると思ってたよ。」
Sくん:「子供の頃から?」
私:「うん。子供の頃から。あと、いつか謝ってもらうつもりやったけど、京都のばぁば、謝らずに向こうの世界に行ってしまったわ(笑)。」
Sくん:「え(笑)。」
私:「(笑)」

宿題をやる、やらないも、時間割をそろえたり、忘れ物したり、テキトーに歯磨きしてて虫歯になったり。もう四年生なので、自分に起こる全ての事は自分に責任があるって方針でいいんじゃないかと思っています。怒る方もだいぶパワーを消耗するので、声かけは続けますが、「失敗はしていい。そこから成長したら別にそれでいいから。失敗して困ったら声に出して、あとの対策を大人に聞いて。で、責任は自分でとるんだよ。」、と。

反抗期、大人の芽が生え始めたSくんに、教える事が山積みです……。

つづく。