かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第272話「ドッジボールが弱いやつ」【2017年5月】

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昔話をします。ちょうど私がSくんくらいだった頃、ドッジボールが流行っていました。チームわけする時に、クラスのリーダー的な強い子が二人、じゃんけんをして、チームに取りたい子を選んでいきました。

太っていて鈍臭くて、足も遅くてドッジボールも下手な私はたいがい余り物。奇数の時なんかは、私を「いるか、いらないか」をじゃんけんで決める瞬間がありました。「それがとても嫌でした、でも、ドッジボールに入れてもらえないよりはいい」ので、その数分を私は我慢していました。すると、ある日のこと。

リーダーの子:「あのさ、ドッジボール弱いやつから先に取るわ。いつも最後に残して、お互いに気分悪いから。ドッジボールが弱いだけやから。だから、先に取る。」

そう言って私を先に指名して、相手のチームのリーダーの子も納得して、次に弱い子を先に取りました。『あ、気分が悪かったのは、私だけじゃなかったんや……!』不思議な衝撃でした。

どんな声かけや行動が、人を勇気付けたり、傷付けたりするか分かりません。様々なコンプレックスや壁を、このリーダーの子はさらりと吹っ飛ばしてくれました。誰の為というわけではなく、お互い、みんなの為に。

『さすが、リーダーやな!ドッジボールが強いだけじゃないわ!!』と小4だった私は思いました。そして、”ドッジボールが弱いやつ”というレッテルを、いつの間にか自分の内面にも貼っていたんじゃないかな?とも思いました。

あの時、密かに感動し過ぎて、何も言えませんでしたが、今でも思い返すあたたかい記憶です……。

つづく。