かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第290話「どうして僕(子)を生んだのか」【2017年6月】

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この質問は、かいじゅう兄弟からも、よその人からも聞かれます。

かいじゅう兄弟は強めに叱った時に。
Sくん:「奴隷みたいに言うこと聞かせたい為にぼくを産んだんか!なんの為に僕を産んだんや!妊娠する前の考えをちゃんと話してみいや!」
弟Aくん:「こんなに怒ってばっかりなら、産まなきゃ良かったやん!僕は産まれたくはなかった!」
奴隷みたいに扱っているつもりはありませんが、被害者意識の強いSくんはそう訴えます。弟Aくんは産まれたくなかったと繰り返します。

よその人からは、度々。
「病気があるのになんで子供を二人も産んだの?ちゃんと育てられるの?責任とれるの?子供がかわいそう。どういうつもりなのか聞きたい。」
「子供を産み育てる過程でPTAがあるのは事前に分かっている事なのに、産んでおいて配慮して欲しいとはどういう事か。産まなければ良かったのではないか。どういうつもりで妊娠したのか、聞きたい。」
と。

初心に戻る……。あの頃の自分はたぶん、障害がない人と”同じ感覚”で結婚したし、結婚してからそろそろ赤ちゃん欲しいなの時期がきて、それから運良く妊娠した…くらいの感じでした。正直、人に語るような物凄い想いがあったわけじゃありません。

以前に参加したATACの中で、障害者が時短等、適切な形で職についたり、結婚して子を産み育てる事が”いけないような風潮”があったが、そうではなくて、それが社会の為にもなっているという話を聞きました。職につく事で金銭面で自立していけるわけだし、障害者の親だけではない家族(配偶者や子)ができる事で福祉の手もなるべく借りずに暮らしていける、「障害者が自立する事は社会の役に立つ!」と言われて、なるほど!と自信をもらいました。

よく知らない仲のよその人は置いといて……、問題はかいじゅう兄弟。療育の保護者会の中で顧問の先生に相談してみたら、「発達障害のお子さんの聞いてくる難しい、哲学みたいな質問には、まず答えないでいいですよ。あと、親はどうしても子に勝とうとしてしまうけど、勝たなくていいですよ。」とアドバイスをいただきました。なるほど。私はいつの間にか、質問には正しく答えよう、正しく答えよう、答えて勝ってやろうとしていたかもしれません。

私は自信があったり、なくなったりしますが、分からないものは、分からなくてもいいんだと思うと、少し気が楽になりました……。

つづく。