かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第370話「お弁当箱の蓋」【2017年9月】

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昔話。遠足で、一緒にお弁当を食べる約束だった子が「他の子と二人で食べる」と言い、一人ぼっちに…。

時間は進むし、先生の所へ行ってみたら、「必ず誰かお友達と食べなさい!一人はダメ!」との事。

時間が進み、みんなのお弁当箱の中身がどんどん減っていく。人がいない山奥に行って一人で食べたら怒られないかな?と思い、林の中へ。

静かな木々の隙間から、みんなの楽しそうな声が聞こえる。お母さんが作ってくれたお弁当を出して、蓋を開けたら、ふいに怒りがこみ上げて来た。

そして、私は思いっきりお弁当箱を投げた。

お弁当箱とお弁当は、ぱらぱら…と、谷底に落ちて行った。私の手元にはお弁当箱の蓋が残ってしまった。

蓋だけリュックに戻して、また、集団の中へ帰った。

先生が「誰かとお弁当は食べたのね?」と聞いて来たので、「はい。」と答えた。先生は満足そうだった。

帰りのバスの中、私は帰ってからの母の反応が気になって眠れなかった。

でも、母からは何も聞かれなかった。

翌日には、代わりのお弁当箱が用意されていて(私が通っていたのは給食なしの私立だった)、何事もなかったように時は流れた。

かいじゅう兄弟の子育てをしながら、子供の頃の私は感情コントロールできていたかな?と思う。…できていなかった。

毎日、不条理な事ばかり起きて、いつも私は怒っていたと思う。

本当にずっと怒っていたと思う。

ただ、表には出さずに、たまに見えない所でブチ切れて。

自分が経験してきた事なのに、Sくんの様子を私はただ見ているだけ…。見ているだけ…。

つづく。