かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第411話「発達障害をしつけで治すという誤解」【2017年10月】

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発達障害の特異な特徴を、普通と同じようにしよう!治して行こう!とすると必ず破綻します。なぜなら、発達障害の特徴は治すものではないからです。しかも、それを親のしつけで!となると、更にとんちんかん。親、子、双方が苦しむだけです。

健常のお子さんには、親のしつけで教育していくのが普通でしょう。適度に叱り、適度に褒める。しかし、発達障害があって、特に情緒が不安定なお子さんには、何かトラブルが起こっても、その場で叱ればいいというわけではなく、トラブルの経験が良い方へ作用することもあまりありません。

「なんで、すぐに、きつく叱らないの?」

と、よく聞かれますが、情緒が不安定ゆえに、トラブル時は最大級のパニックに陥っていて(そう見えない事もある)、注意や声かけは中に入っていきません。叱る前に、心を落ち着かせる事が先で、クールダウンの為の部屋に移動したり、ぐっと抱きしめてドキドキを抑えたりします。暴れすぎて本人や周りが怪我をしそうな場合も、後ろからぐっと抱きしめて抑えます。これは、ヘルパーさんや作業療法士の先生方がしているのをよく見かけます。

トラブルの出来事も、よく、トラウマになります。繰り返し、ずっと後まで、まるで今それが起きたように、驚き、恐れ、怯え、パニックを引き起こしたりします。だから、注意してもまた同じ失敗を繰り返したり、失敗する前から挑まなかったりします。

「なんで同じ間違いばかりするんだ!」
「前にも言っただろ!」

そんな事を言っても無駄なのです。

PTAの本部役員をしていた時に、急な集まりがある事がありました。ヘルパーさんは基本、前月の20日までに手配しなければならないので、急に言われても、集まりに行かないか、集まりにかいじゅう兄弟を連れて行くかしかありませんでした。

ある日の事、集まりが短時間の予定だったので、かいじゅう兄弟を連れて参加してみたら、やはり、二人ともごねて、最後には泣き出してしまいました。
「なんでこんな事くらいで泣くの?!」
「ワガママで大変やな!」
「普通、待てるやろ。」
「うるさいで。空気読みや。」
「いい加減にしーや。」
「どういうしつけしたら、こんなんになるん?」
「代わりに怒鳴ったろか。」
「次からはちゃんとしーや。」
様々な言葉が飛び交いました。

健常の子って、空気を読んでしばらく待ったり、我慢したり、怒鳴られたら黙ったりするんやなぁ…と思いました。かいじゅう兄弟には、その機能がありません。それは、誰かのしつけで治るものではなく、多少、年齢があがったら、回避策を本人が見つける、かもしれないだけです。

発達障害は治らないよ」「その場で起こっても無駄だよ」と話してもきっと、健常のお子さんしか育てていないママさん達には分からないと思ったので、ヘルパーさんの手配の都合上、前月20日までに決定しない集まりには参加しませんでした。本部を引き受けたのに申し訳なかったけれど、そうするしかありませんでした。

かいじゅう兄弟の発達障害は治らない、情緒はかなり不安定のまま、ですが、私と一対一で対応するか、予定をすべて示しておけばなんとか、今はスムーズになって来ました。が、崩れる可能性は高いので、常に30分前行動、万が一の着替えやお気に入りアイテムはリュックに詰めて、荷物はいつもぱんぱんです。あと、二人とも連れて歩く時は必ず手を離しません。ホームなど、特に要注意です。

しつけで治らないけれど、その子その子のやりやすいやり方、気持ちがざわざわしないやり方はあるはずなので、気長に探し、何かあっても叱らず怒らず受け止めて、たんたんと、とにかく早め早めの行動をする毎日です……。

つづく。