かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第601話「Sくんの自由帳」【2018年5月】

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かいじゅう兄弟を育てていると、自分の子供時代をもう一度体験しているような感覚になります。


学校で、休み時間に独りぼっちなSくん。みんなの気がそれて、虐められる事はなくなりましたが、一緒に遊んでくれる友達がいるわけでもありません。


低学年の間は育成学級への逆交流で仲良くなった友達と寂しさをしのぎ、去年は保健室の先生の所で癒されていたようでした。保健室の先生が退職され、保健室へ行っていた一年の間に、育成学級が遠い存在になってしまったようで。今、Sくんは、いつも教室で一人で絵を描いているそうです。


児相の診療所、個人クリニック、普通学級、通級教室、学習支援型の放課後デイサービス、教育系大学の小集団活動、個人クリニックで受けているICTの講座……。Sくんは、相談先がたくさんあって、特別支援も受けられています。学習面も徐々に前に向かっている……、でも、Sくんはずっと独りぼっちなのでした。


本人の願いは、「(学力や生活面を)みんなと同じように普通になる事」、「独りぼっちでなくなる事」。普通という概念や定型の型を捨てるのか、努力や支援でカバーするのか。繊細なSくんには難しいかもしれませんが、気にせず我が道を切り開き歩む勇気を、どうやって持たせてやったらいいか。


私もSくんと同じだった記憶があります。幼かったあの日、勉強が分からないまま座っていた私、虐められて毎日死に方を考えていた私、教室で独りで絵を描いて過ごしていた私、どうやって、今まで生きてきたの?どうやったら、Sくんはこの苦しみから抜け出せるの?


Sくんの自由帳は、新学期が始まって2ヶ月で、1冊目が終了しました。この自由帳の素敵な絵を誰も知らないし、Sくんが独りぼっちで苦しんでいる事もきっと誰も知らないのでした……。


つづく。