かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第620話「先見の眼」【2018年6月】

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* * *


Sくんを育てる時、分からないことがばかりで、迷いがありました。一人目だったから?慎重で、なんでも試しました。結果、捨てる物の方が多かったけれど。学年が上がる度に、できる、できないがはっきりして行って、支援はしやすくなりました。でも、進路は不安だらけです。


弟Aくんを育てる時、分かることもたくさんありました。二人目だったから?気が付いたら色んな事ができるようになっていました。学年が上がる度に、Sくんより良くできる印象で、期待が高まりました。でも、医師からは「それ違う!」と、よく怒られます。


分かったつもりになっている私が悪いんだな……と思う事もあります。きっと正しいのはいつも医師や専門家の方で。先見の眼を持って、導こうとするが故なんだと思います。


私が分かる事は、私に何ができるか、できないか。経済的に可能かどうかや、制度を利用できるかどうか。自分に身体障害がある、そっちのバランスも保ちながら、育児を破綻させないように、選択肢を選ぶ事。


医師や専門家が推薦する、とても良い方法があったとしても、現実的ではなかったりするとそれを選ばず、「それ違う!」怒られる事になるのかなとも思います。


例えば。


昔、Sくんが低学年だった頃、学校側の理解がかなり薄く、ケース会議や面談を繰り返しても、特別支援をしてくれない時期がありました。Sくんは虐めも不登校も体験しました。

医師:「転校しなさい!」

私:「お金が足りません!」


かいじゅう兄弟の喧嘩は激しく、もうすぐ、ご近所さんから通報されるかな……というレベルです。家電や家具は次々壊されてしまいました。

医師:「環境調整!!部屋を分けなさい!」

私:「狭い間取りなので無理です!」


弟Aくんの放課後の過ごし方について……

医師:「預かりだけするような適当な放課後デイサービスや健常児が通う塾ではなくて、目的がはっきりしたこの放課後デイサービスに通いなさい!」

私:「遠いので、移動時間が耐えられず、嫌がるかもしれない。あと、送迎がない放課後デイサービスは、私が持病の為に身動きがとれないから、ヘルパーさんの通学支援を使う事になり、曜日によって、その手配が難しいです。」 


国語の特別支援について話していた時……

医師:「宿題をiPadでやってOKにしてもらったら?」

私:「壊したり落としたりのリスク、iPadの持ち込みが難しいです。あと、本人がみんなと違うことをする事を嫌がります。」

医師:「それなら、クラス全員、iPadで宿題するようにしてもらえばいいでしょう。」

私:「それは、最初からデジタル教科書導入校でないと無理だと思いますよ。」

医師:「なら、転校を……」


こんなやり取りです。


医師から見たら、薦めるあれこれを実行しない親だな……と思っているでしょう。でも、無理なんです。


診察にうかがう度に気が重くなります……。


つづく。