かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第659話「公衆電話での出来事」【2018年7月】

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ある暑い夏の日。私が3歳で、母は妊婦でした。装具でうまく歩けない私はベビーカーに乗っていて、母は買い出しの荷物を持って、ベビーカーを押していました。


ガタガタガタと押されていたベビーカーが突如止まって。真っ赤な顔をした母が、公衆電話から父に助けを求めていました。限界だったのです。電話の向こうの父は仕事中で、母に、「荷物は公衆電話の近くに置いて、Mと一緒に体だけ帰って来なさい。」と言ったそうで、母は激怒!ますます顔が赤くなり、公衆電話の中に座り込んでしまいました。


ベビーカーから降りた私は、母に、「救急車を呼ぶ?」と聞きました。母は、「救急車を呼ぶ程ではない」と。ただ、「もう私は限界だ」と言いました。


そこで、私はベビーカーに買い出しの荷物を乗せて、ゆっくり押し始めました。「Mちゃん、ありがとう」と言いながら、母もゆっくり歩き出しました……。


……そして、今。病気が進行する私が、"私はできないから!"と手放してみても、代わりは誰もおらず。結局、"私がやる"か、子供達の通学や通院や用事が"無し"になるか。そんな状況です。


私、Sくん、弟Aくん、と、受給者証が何枚もあって、役所が定める支援数が多くても、実際にヘルパーさんが入れる時間数は年々減り続け……生活は困難に。理由は人手不足だそうです。


複雑なヘルパーの手配表を、前月20日までに作り、支援数めいいっぱいまで計算して組んでみても、実際は30パーセント程、対応不可で。特に同時間帯に2人派遣はできない、と。受給者証が何枚あっても、グループ支援で共に行動して欲しいというわけです。


仲の悪いかいじゅう兄弟は、集団登校ではヘルパー無しでも大人しくしていますが、夏休みにグループ支援でサマースクールへ登下校する時は、激しく喧嘩。特に女性ヘルパーが一人で二人をみている時は、喧嘩を止めには入らないので、悲惨な状態で帰ってきます。


なんで……身体障害者精神障害児を二人も産んでしまったんやろか……と思います。かいじゅう兄弟は少しずつ成長していますが、まだ、自立には至らず。喧嘩やパニックを起こす様子を知っていると、「一人で行っておいで」と出す事ができない。何かあった時の責任問題を考えると、やっぱり無理なのでした。


救急車を呼ぶ程ではないけど、もう限界。夏の暑い日はよく公衆電話での出来事を思い出します……。


つづく。