かいじゅう兄弟

二分脊椎症のママと発達障害のかいじゅう兄弟が繰り広げるドキュメンタリー

第685話「叩く音」【2018年8月】

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初めて行った遠くの水族館で。海の生き物と触れ合うコーナーがありました。しっかり手を洗って、順番を待つかいじゅう兄弟。私は少し離れたところからふれあいの様子を撮影するつもりでした。スタッフの方が手にヒトデを乗せて、隣にいた小さなお子さんとその家族から触らせていたら……


パシーーーン!!!


いきなり音が鳴り響き、ビクッとなった小さなお子さんとその家族、スタッフのお姉さんはヒトデを水槽に落としてしまいました。


なんだ?!と思ったら、私から見えなかったのですが、Sくんが足を乗せてはいけない台に足を乗せていたようで。それを後から来たパパがいきなり叩いたのでした。


叩いてから、足乗せるな!と注意していましたが、ビックリしすぎた他の人達はふわ~っと解散……。叩かれて怒鳴られたかいじゅう兄弟もテンションが下がり、ふれあわずにその場を離れました。


私:「やり過ぎやろ。音、凄かったよ。周りも引いてたし、うちのビデオカメラにも入ってるけど、よそのビデオカメラにも叩く音と怒鳴り声入ったと思うよ。注意するにしてもやり方があるし、テンション下がって、せっかく手を洗った意味も並んだ意味もないやん。なんなん、これ。」

パパ:「悪いのはSだ!」

私:「そうだね、きっかけはSが足をかけていたことだけど。注意の仕方が間違ってるよって話に集中してもらえるかな。自分で、この静けさ、周りの気不味い様子、空気感、感じない?」

パパ:「……感じる。さすがに分かる。」

私:「だよね。良かったわ。注意の仕方を、演技でいいから工夫して、他のお客様の迷惑にならないようにしてね。」


ビデオカメラに入ってしまった動画は削除しました。記録は消せても、記憶は消えない。テンションの下がったかいじゅう兄弟は、弟Aくんが急激な眠気に襲われてパパと車へ、Sくんはエイのショーを観たいとのことで私と二人で観ました。


そういえば、外だったからか、パパにブチ切れられても、かいじゅう兄弟はパニックを起こしませんでした。成長したのかな。パパは変わらない、変わっていくのはかいじゅう兄弟だけなのかもしれません……。


つづく。